THE BOHEMIANSがDaisyBarに初出演した時のことはよく憶えている。2008年9月6日、対バンがVeni Vidi Vicious、Lazygun’sBrisky、クロワニ、というDaisyBar企画のブッキング。2000年代初頭くらいから、欧米の、The Strokes、LIBERTINES、The Vines、Arctic Monkeysと言ったバンド中心に、当時の新しいインディロックが盛り上がってきていて、ロックンロールリバイバルとも呼ばれていて、その影響をダイレクトに受けた新しい世代のバンドが、日本のインディシーンにも登場してきた。その筆頭が、SISTERJET、QUATTRO、そして、Veni Vidi Vicious、The Mirrazだったりだと思う(その辺の話をし出すと長くなるんだけど)。そうした流れのバンドが、DaisyBarにも出始めていたのだけれど、当初、まだあまりお客さんは入ってなかった。なので、この2008年9月6日のイベントを組む時、土曜日に組んでしまったけどお客さん入るかなーと心配だった。それでも蓋を開けてみると、この日、お客さんも沢山入って、わー、なんか新しいことが起こっているんだなと、手応えを感じた日だった。ただ、まだこの日、トップを務めていたTHE BOHEMIANSの時には、そんなにお客さんが来て無かった様な。当時、THE BOHEMIANSは、そうした、所謂ロックンロールリバイバル的な雰囲気のバンドとも少し違っていた。2000年代のバンドの影響も勿論あったと思うのだけれど、更にルーツが60年代や70年代のロック、あとは、日本のロックや歌謡曲の要素など、何というか、大きな意味での幅広いロックンロールの雰囲気も漂わせていた。そして、数年振りにDaisyBarに還ってきてくれた彼等のLIVEを観て、もう、単純にカッコ良かった。ロックンロールのカッコイイところをキッチリ切り取って、あー、ロックのこういう所が好きだったんだなーと、思い出させてくれる。ボーカルとギター、同じマイクで一緒に唄うよねーとか、やっぱりギターソロはあるし、ソロの時はきっちりギターも目立つし、メンバーそれぞれに華あるし。そして、数 年前には、気付かなかったカッコ良さというか、彼等のロックンロールへのこだわりみたなモノに、今更ながら気付かされた。正直、DaisyBarに出演していなかったこの数年の、彼等の活動をきっちり追えていた訳ではなかったので、初めて聴く曲も沢山あったんだけど、キャッチーでポップでロック。彼等がやってきている事は、当時と基本変わっていなかった。ロックンロール、そしてロックンロールのカッコ良さの追求。MCで、2年間くらいDaisyBarに出演していた頃の動員を合わせても、今日来ている人数にも満たなかったと思うけど、一日でそれを超えられるくらいお客さん入れられて嬉しい、という事を言っていて、実際、全部合わせたら、ちゃんとお客さん入っていたと思うけれど、そうやって悔しかったりし た事を、キッチリ取り返しにくる所も、凄くロックンロール的な美意識というかカッコ良さ。そしてこの日、セットリスト本編、最後に演奏した楽曲「ロックンロール」は、当時、いつもDaisyBarで最後に演奏していた楽曲で、数年振りにラストに演奏したと言っていて、わざわざDaisyBarだから最後に持ってきてくれる、そういう所も、ホントカッコイイなと思った。もうTHE BOHEMIANSの魅力満載、そしてロックンロールの魅力溢れる感動的な一夜だった。(加)