地獄めぐり

DaisyBarでもすっかりお馴染みの4組。では、あるけれど、この4組が、こうして一つ屋根の下、同じライブハウスに一堂に会することは、これまでになかったのではないか。と言う顔合わせ。バンド名並べただけでも威圧感あるし、混ぜたら危険感もハンパなし。この4組、どうみてもロックでしかないんだけど、これだけ、音楽的にも、キャラクター的にも違うのも凄い。それも、どのバンドもワンマンでDaisyBar満員にできちゃうバンド。もう、まさに私的にはアベンジャーズ。アベンジャーズはヒーローだけど、どっちかというと、悪役色が強いからか(そう言えばハルクの弟の悪役ロキって名前だったしな)ってことで、このタイトルにも納得。まずトップはROKI、「もっともっと早く、もっ ともっと遠くへ」、と、尾崎豊が唄っていたけれど、ROKIを観ていて、そんな言葉が頭に浮かぶ。ロックンロールの初期衝動的な、どれだけ早く、どれだけ遠くへ飛べるんだ、俺たちは、みたいな事を、どれだけ体現できるかにかけているかの様な、そんなライブだった。その中で披露されるミディアムテンポの曲にもぐっと来た。そして2番手はLarge House Satisfaction。よい意味で肩の力が抜けていて、だからこそな、圧倒的で、会場を一気に一つにするその強靱なGroove感とかビートとか、楽曲とか、要司君のでかい声とか、もう圧巻。さすがだった。やっぱり強い奴ってカッコイイでしょ、みたいな所がカッコよかった。そして3組目はBALLOND’OR。自分達と世の中との距離というか違和感というか、その摩擦係数を瞬発力と爆発力に変えながら、しっかり愛とユーモアがある。その絶妙なバランスが、ドキドキもするんだけれど、そういう所も含め、強力なロック的体験だった。そしてトリはCRYAMY。この濃密な4組の中でのトリで登場するのは、かなりなプレッシャーもあるかとは思う。けれど、その中で、彼等の楽曲の強さと、唄、言葉の強さをきっちり伝えるパフォーマン ス。ワンマンの時とはまた一味違って、こういうイベントの限られた時間の中で、そこに凝縮させたパフォーマンスで、きっちり彼等の魅力を再認識させてくれた。等身大でありながら、常に上を見て挑んで行く姿勢も彼等らしかった。あらためて4組のライブを見終えて、4組共、どこをどう切ってもロックだし、ロックンロールでしかないんだけど、それぞれのアプローチというか、アウトプットの仕方が見事に四者四様で、交わったり、交わらなかったり、と、いろいろな部分があったと思うけれど、それをお互い誰に寄せるでもなく、それぞれのストロングスタイルを思いきり出しあっての、刺激溢れる内容だった。そして、元々ライブハウスってこういう場所だったよね、と、あらためて思った一夜だった。( 加)