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LIVE REPORT

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2026年7月3日

Find This Man

キムラ/TRASARENU/reco

この日はDaisyBar企画イベント。この日出演のキムラ、TRASARENUのメンバーがまだ十代か二十代前だった2007年頃、francis'、新世界リチウムというバンドで、時を同じくしてDaisyBarに出演してくれており、自主企画だったりも含め対バンし、同世代同士しのぎを削りながら、DaisyBarを、そしてシーンを盛り上げてくれていた。2007年、当時のバンド達は今とはまた違った熱を持っていて、日々DaisyBarにもそんな熱は渦巻いていた。そうした熱に更に燃料を加えていたバンド達でもある。そんなメンバーが時を経て十数年振りにDaisyBarで顔を合わせるという個人的に隠れたストーリーもあった日。そこに現在二十代のrecoを加えたスリーマン。という事でまず登場はreco。4人組ギターロックバンド。歌詞の作法やギターのフレーズなどなど、00年代のバンド達がしのぎを削っている中で生まれて来た音楽から多大な影響を受けていると感じさせる。そうした影響も隠さない思いきりの良さが彼等の魅力でもある。そこが幾多と生まれてきたそうしたフォロワー的なバンド達ともちょっと違うと思わせる所。この日もこうしたイベントの中でもあまり臆さないライブパフォーマンスを見せ、彼等の魅力の片鱗をしっかりと印象づけた。そして登場はTRASARENU。ex新世界リチウムのVo.Dr石川慧とGt松野康平、二人によるプロジェクト。この日はベースとキーボードを加えた4人編成。彼等のライブは初体験であったけれど、二人の息の合ったGROOVEは相変わらず。安定感とポップさを纏いつつ、どこか危なかっしくヒリヒリする。そしてまさに楽曲と一体化している慧君のドラムとボーカル。そして、正解のない問いを続ける歌詞。人間(そして自分)の中にもあるその複雑性をまっすぐ見つめる。善悪がきっちり分かれることなどあるのだろうか。だから己の中の善も疑う。そうした複雑性を持つからこそ人はロックンロールを、ポップミュージックを聴く。二十年前から思っていたことをあらためて思い出させてくれた。AIがなんでも答えてくれるこの世界で、重要なのはそうした文学性だと思う。そしてトリはキムラ。昨年、十数年振りにソロで活動をしている彼に再会。ライブでも彼がMCで語っている事だけれど、バンド辞めた後、数年間会社勤めをし、その中で自分には音楽が必要だという事を再認識し、会社を辞め音楽活動を再開。DaisyBarのステージにも戻ってきた。そして今年9月には、DaisyBarをソールドアウトをさせなければ音楽活動から身を引く覚悟のワンマンが決定している。そのワンマン目指して昨年から地道にライブを重ねてきている。キムラはソロプロジェクトではあるけれどこの日は Vo.Gtのキムラにもう一本ギターとそしてリズム隊が加わった4人編成。パワフルなボーカルでストレートで明け透けな歌詞が繰り出され、バンドも一体となって彼の世界を更に強く描き出し、フロアを盛り上げる。MCも各方面への愛と毒を吐きながらのよいバランス。この一年弾き語りも含め様々な編成でDaisyBarのステージに立ってきてくれたけれど、このロックンロール編成が、彼の今のドリームビッグなモードやテンションにハマっていた。ワンマン向け更に弾みをつけるパフォーマンスで見ているこちらもワンマンへの期待と手応えを感じた。世代の異なるreco含め三組とも自分達の「今」をしっかり見せてくれた。時代はいろいろ変わるけれど、やっぱりドリームビッグな気持ちで続けてゆく事が大事だし、それが面白いとあらためて実感。(加)

2026年6月26日

ANABANTFULLS pre.“ALTERNATIVE PARK”

ANABANTFULLS/SABANNAMAN 【TWO MAN】 (O.A)安田コウヘイ

ANABANTFULLSが4月から三ヶ月連続で仕掛けるツーマンイベント「ALTERNATIVE PARK」。ロックにおいても意味を持ち、ひとつの価値観を表す様になった言葉「ALTERNATIVE」。そして、様々な属性を持つ人達が思い思いに集まったり、過ごしたりする場所「PARK」(それが個人的なイメージ)。どんな意味で付けたかはわからないけれど、そんな単語が組み合わさった言葉を冠したこの企画。その首謀者であるANABANTFULLS。昨年の10月、DaisyBarに久し振りにワンマンで登場。そして2025年、年末にはドラマー脱退もありながら、止まることなく活動を続け、DaisyBarだけみても、2026年2月投げ銭制ワンマン、4月から三ヶ月連続でこのツーマン企画と、歩みを止めるどころか、更に加速さえして行く働きぶり。このツーマン企画では4月ジラフポット、5月The Cheseraseraと、それぞれのストーリーを繋ぎながら、魂の熱いぶつかり合いをガッツリみせつけた。そしてこの日は、その三ヶ月連続企画のファイナル。このイベントの数日前、ジュンヤサカモトがドラマーとして正式加入したことを発表。更にまだまだ止まらない勢いをここでも感じる。新たなメンバーを迎え四人となり新体制でのスタートとなったこの日。対バンはSABANNAMAN。この企画では毎回オープニングアクトとして、ANABANTFULLS、ボーカル安田が弾き語りを行っており、この日もオープニングアクトとして登場。ANABANTFULLSの魅力のひとつでもある安田の歌声がまたバンドとは異なる表情で生々しく大きく響き渡たり、イベント開幕。そしてまずはSABANNAMAN。ダブ、ソウル、インディロック、ヒップホップetc.と様々なジャンルを呑み込んだ、まさにミクスチャーロック。横揺れのなかにアッパーさもあり、アッパーさのなかにもほどよい間がある。緩急つけながら変化してゆくGROOVEでフロアをしっかりと掴んで、沸かしてくれた。そしてANABANTFULLS。地を這う様な土着的なリズムとリフが感覚的にフィジカルを刺激し、自然と身体が揺れる。そして言葉がリズムを追い越したり乗っかったりしながらさらGROOVEを作る。言葉が脳に届いて、意味として入ってくる前に感情に訴えけて来て何故かグッと来る。オーディエンスもそれぞれがGROOVEに身を任せ揺れて行く。いつもの安定のGROOVE、サウンド。ではあるけれど、昨年の10月から短い期間で何回か彼等のLIVEを連続して体感してゆくなかで、そうした安定感もありつつ、いつも前回とまた違ってカッコイイ、という印象を受ける。ブレない核を持ちつつ、常にオルタナティブである事、常に次を意識し、探し、変化しつづける。それこそが生きると言うことでもある。そしてオルタナティブという事でもあるのだと思った。オルタナティブとは何ぞやという議論が定期的に巻き起こったりもする。どれが正解ということはないとは思うけれど、その答えの一つがこの三ヶ月連続企画の中にあり、この日はまさにその集大成的なライブ、パフォーマンスでもあった。そして、ライブの中で10月ニューアルバムのリリースすることも発表。これから更にALTERNATIVEを更新してゆくであろう彼等に、更なる期待を感じた一夜でもあった。(加)

2026年5月22日

ちゃくら 下北沢武者修行&侵略大作戦 THE FINAL
“インディーズ THE FINAL”

ちゃくら【ONE MAN】

ちゃくらがDaisyBarに初出演したのが、2022年12月。たまたまネットで「海月」の音源を聴いて、DaisyBarに出演して欲しい!と思い、即座に出演オファー。かなり急なスケジュールでのオファーだったいも関わらず出演してくれたのが始まりだった。それが彼女達にとっては2回目のライブだったと記憶してる。いずれにせよ、まだライブ経験も浅い中での出演。それから明けて2023年、コンスタントにライブを重ねDaisyBarにも毎月出演。力を付けリスナーを増やして行った。そんな2023年に彼女達が行ったのが、下北沢の五つのライブハウスを五日間連続で巡り企画を行う 「下北沢武者修行&侵略大作戦」だった。そして今回2026年、ちゃくらのメジャーデビューを前に、インディーズ時代、力を蓄えてきたこの下北沢で、ふたたびその企画を「THE FINAL」として開催。更に、ここDaisyBarはその締め括りとなる最終日、ワンマン!。お値段なんと、ちゃくらの結成日にちなみ617円。当然チケットはSOLDOUTとなった。フロアは超満員。ちゃくらの登場と共に、フロアとステージの距離が縮まる。ちゃくらも5日間連続でのライブの疲れを感じさせないパワフルさで、最初からオーディエンスを煽り、またフロアからのエネルギーを受け取りオーディエンスへとそのパワーを還元してゆく。彼女達はオーディエンスそれぞれの「君」に向けて唄いかける。それはそこにいる「君」でもあるのだけれど、どこかでちゃくらを聴いているまだ見ぬ「君」かも知れない。そんなインディビジュアルな個々の「君」が集まってパワーを発揮する。そんな彼女達のライブを観て、そして楽曲を聴いていると、筆者である私が、ロックンロールやポップミュージックをそもそも聴き始めたのは、自由になりたいっていう気持ちだったな、とそんな初期衝動を思い起こさせる。彼女達の楽曲自体は、多くの優れたポップソングの様に「わたし」と「あなた」との間に起こる物語、そこに起こる感情を唄うものが多く、所謂反逆の音楽みたいなものではない。筆者である私が十代を過ごした1980年代に比べて、今現在の方がいろいろな意味で成熟しているし、ジェントルで優しい時代になった。私の時代などは、アンチ大人とか、アンチ社会とか、今に比べてシンプルに戦うべき相手みたいものは想像できていた。今は敵と思えるモノの姿も見えにくいし、社会秩序も大事なことは十分皆が理解しているし真面目だ。そんななかでも生きずらさを感じる。その漠然としたもののなかで、自問自答しながら、楽器を手にし、四人となって、バンドとなって進んで行く。偏見だったり、社会の目だったり、それを気にする自分自身だったり、私を理解しないあなただったり、ガールズが生きて行く上でぶつかる様々なことに、身体ごとぶつかって行く。そしてそこで生み出される音楽は性別や世代に関係無くポピュラリティーと普遍性を持って我々に届く。ポップであることが一番ラジカルだったりする。そしてそんな楽曲、言葉にぐっときてしまう。この日のライブは彼女達のこれまでのインディーズ時代のストーリーを総括する様な内容でもあったと思うけれども、この日が特別な日であると同時に(それはどんな一日でも特別な日であるのと一緒で)、ガールズバンドが生きて行くその道中の通過点、インディーズ、メジャーその区切り関係なく彼女達のバンドが続いて行く、生きて行く線上にある一日なんだと思った。これからも茨の道で戦って行くちゃくらに勇気づけられるだろうし、そんな彼女を応援したい。そしてその先にいくつもある夢を一緒に観られる様に、我々リスナーもそれぞれのインディビジュアルな現場でベストを尽くし生きてゆかなければ、と背中を押された。そんな楽しく笑顔溢れつつ、エモーショナルな一夜だった。(加)

2026年4月14日

DaisyBar 21st Anniversary
~Girls&Boys~

オレンジスパイニクラブ/TETORA 【TWO MAN】

DaisyBar21周年ということでその一環として組まれたこの企画。DaisyBarのアニバーサリーイベントには欠かせない存在となったオレンジスパイニクラブ。今年、出演をオファーした際、対バンのリクエストとして名前上がったのがTETORA。TETORAもオレンジスパイニクラブからのご指名という事で即OK。という流れで実現したこの顔合わせ。オレンジスパイニクラブとTETORA、これまでも対バンを重ねてきたバンド同士ではあるけれど、今回久々の対バンで4年振りとの事。そしてTETORAのDaisyBar出演は2019年以来。それぞれの時間を流れを経て、巡り合ったこの日。チケットはソールドアウト!。満員のDaisyBar。まず登場したのはTETORA。ガッツリとアリーナ級のバンドサウンドを放ちつつも、フロアーの一人一人と対話をする様な親密なライブ。更にキャパが広がったとしても、きっとそれは変わり無く同じであろうと想像がつく。オーディエンスとの距離をはかり、詰めながら、後半更に熱量を上げ、オーディエンスと共になってゆく。それぞれの物語が、熱が交錯する、それがライブハウスであり、ライブだということを知るバンド。そしてそれぞれが積み上げてきた日々が交錯し、つくりあげたこの日が、また未来へと繋がって行く。瞬間瞬間の刹那の積み重ねが永遠となってゆくことをあらためて知らしめてくれる。途中「TETORAもオレンジスパイニクラブも、ライブハウスバンドだ!」というシャウトにぐっときた。まさにライブハウスで鍛え上げられ、生きてきた彼女達ならではの言葉の強み、そしてパフォーマンスだった。そして後攻めで登場はオレンジスパイニクラブ。昨年、同じこの時期のアニバーサリーでのワンマン以来のDaisyBar登場。一年振りに観た彼等のライブだったのだけれど、この一年でのライブバンドとしての進化に驚かされた。いつもライブはスロースターターな印象があったけれど、この日は最初からトップスピードでもって行くアッパーさ。一気にフロアーの熱も上がる。序盤にクボタカイ君との楽曲「STEP!!!!!」を披露したのにも驚かされた。そしてしっかりとギアが噛み合った力強さで、彼等の楽曲がダイレクトにオーディエンスに響き渡って伝わって行くのがわかる。バンドとしてのフィジカルの強さとグルーヴ感も増し、こちらの身体を揺さぶる。そして圧巻だったのは、「キンモクセイ」でのオーディエンスとの大合唱。ちょっと大袈裟な表現をするとoasisのライブのワンシーンみたいだと思った。それくらいヒット曲、名曲があるという強みをきっちりと引き受け、受け止めて、それをしっかり表現し切っていた。そうしたある意味腹を括った覚悟の様なものがバックボーンにあり、そこにシャープさも加わったロックンロールバンド然とした渾身のパフォーマンスだった。オレンジスパイニクラブ、TETORA共にキャリアを積み重ねながらまだまだ更なるピークを期待させる内容だった。そして両バンド共に、ライブハウスバンドであることをしっかりと証明した2マンだった。(加)

2026年3月30日

DaisyBar 21st Anniversary
~スズキユウスケ 劇中歌-二〇二六-~

スズキユウスケ(オレンジスパイニクラブ)【ONE MAN】

オレンジスパイニクラブ、ボーカル、ギターのスズキユウスケ弾き語りワンマン。3/25に誕生日を迎えた彼の誕生日企画でもある。昨年はDaisyBar一階にあるLagunaで行われたこの企画。その際のソールドアウトを受け、今回はキャパも大きくして、DaisyBarにて開催。そしてこの日も見事SOLD OUT!!。と、いう事でスズキユウスケがアコースティックギターを抱え、一人DaisyBarのステージに登場。立ったまま、演奏、唄うスタイル。フロアーはイス席とスタンディングというレイアウト。そこは勿論オーディエンスで満員。ステージに一人立つ彼を温かく取り囲み、見守る様な雰囲気。若干の緊張感も伝わってきつつ、ゆっくり丁寧に曲が奏でられて行く。自作の曲を中心に、そこにカバー曲や、スズキナオト作の楽曲も織り交ぜた選曲。また自身の未発表曲などもあった。誕生日ということや、弾き語りというというシンプルな形態というのもあってか、原点回帰と思える部分もあった。そうした初期の楽曲から、ここ数年の楽曲まで、こうした形であらためて聴いて感じるのは、そこに貫かれているポップネス。唄われているのは、一貫して「あなた」と「私」の物語。その間にある感情の動きだけがこの世のすべて。ではあるけれど、二人だけの閉じた世界には感じられずしっかりと外部と繋がっている。それぞれの物や人にそれぞれストーリーがあり、理由があり、そこにちょっとした喜びや悲しみもあったりする。外側(社会)があるからこそ、二人の物語がある。君と僕以外の世界があるからこそ、もっと自分はうまく出来るはずだと思う。相手に優しくあろうとするけれど、その優しさの意味を考えてしまう。堂々巡り。それでも、最終的にそんな「君」も「僕」も肯定する。常に正しく、強くはいられないのが人間だから、そんな、だらしない、うまく出来ない自分をもちょっと肯定してみる。物語の中、「あなた」も「私」外側へと歩んで行く。だらこそ、その開き直りとも思える肯定感も説得力を持つ。だらだら書いたけれど、これは筆者の中に浮かび上がったイメージ。それぞれ聴く側によって様々なイメージを持つだろうし、思いもあるだろう。直接的な言葉で誰かを勇気づけたりするのではなく、そこにある物語で、勇気づけられたり、ちょっと気持ちが軽くなったりもする。それこそがポップ。そして、あらゆる事が起こりトピック盛り沢山のこの世界で、ポップであることこそ、パンクでロックだとも感じる。あらゆるものが直接的になって行き、いつも正しく、間違えは許されないと感じさせてしまう様な世界。その中で、こうした間違ってばかりの「あなた」と「私」の物語は重要だとも思う。今回彼が一人でステージに立って唄っていたことで、バンドによる肉体性とはまた違った形だったことで、そんな印象をもったのかも。そして、こうした楽曲が更に四人で奏でられることによって、そこに起こるマジック。そちらもあらためて楽しみになった。(加)

2026年2月12日

Groovy Park~Otto Benson JAPANTOUR~

Otto Benson/Golden Katies!!/アハ体験/Avant-garde Club

ニューヨーク、ブルックリンからソロアーティストOtto Bensonが来日。この日は、その日本ツアーの一環としてDaisyBarに出演。まずそのOtto Bensonがトップで登場。一人、イスに腰掛けながらエレキギターを演奏し、唄うスタイル。ミニマムなエレクトリックギターサウンド。時にそのギターサウンドをループさせ重ねながらCOOLにGROOVEしてゆく。そして物静かに語らう様に唄いながらも力強いボーカル。まさにUSインディーなサウンド。一人のパフォーマンスにも関わらず、オーディエンスをそのミニマムなサウンドでグイグイ引き込んでゆく。緊張感ある雰囲気の中でふとリラックスする様な瞬間に、生まれる音とGROOVE。音圧とはまた違った力でオーディエンスを圧倒する。個人的にニューヨークといえば、グリニッジ・ヴィレッジのボブディランだし、ヴェルベットアンダーグラウンド、ルー・リードだし、ストロークス。まさに憧れの象徴。けれど、今やマンハッタンはトランプタワーに代表される様なセレブなハイカルチャー的なイメージ。そんな中で、こうして(マンハッタンではないけれど)、ニューヨークはブルックリンからやってきてくれたOtto Bensonによるサウンド、パフォーマンスをライブでこうして体感して、まだ私の好きなニューヨークのポップカルチャーはリアルに綿々と街に息づいているんだと実感。この日一発目から素晴らしいパフォーマンスだった。そして二番手はAvant-garde Club。まだ十代のメンバー中心のバンドではあるけれど、そんな圧倒的なパフォーマンスの後でも自分達らしく、彼等ならではのロックショーを展開。楽しくそして時にはホット且つエモーショナル。そして彼等のオーディエンスもいつもながら最高なバイブス。Avant-garde Clubがそのルーツを海外のロックンロールやR&Bやポップミュージックなど日本の音楽だけでなく、その外側にも求めてゆくように、彼等のオーディエンスにもよい意味でのオープンさを感じる。そんなグッドバイブスなフロアをしっかり盛り上げてくれた。そして三番手登場はアハ体験。KiQの(DaisyBar的には、余命百年でよく出演してもらっていた)やまのは君がギターを弾くバンド。フルート、ギター二本、リズム隊という編成。各楽器、音が有機体の様に絡まりあったり形を変えてアメーバの様に広がったり。時にダビーに、時にファンキーに。かと思えばメロディアスに。行き先不明の難解GROOVEに見えて、かなりフィジカルだし快楽的でポップ。まさに音楽体験とも言えるパフォーマンス。これまた圧巻だった。そしてトリはGolden Katies!!。12月に引き続き出演。Kazuto Tarumi (BASS)とKosei Terunuma(DRUMS)の二人の手練れからなるツーピースバンド。この日のこれまでのグッドな雰囲気を引き継ぎつつ、サウンド的に様相を一気に変える。重いリフとリズムでフロアーを引っ張る。更に緩急を付けながら時に加速したり、変幻自在なリズム。そして重みもありつつも、更にキャッチーで思わず口ずさんでしまいそうなリフ。カラフルな音像と変幻自在なリズム。さすが!と唸ってしまうパフォーマンスでフロアをしっかり盛り上げ、イベントを締め括ってくれた。そして、この日は年齢から性別、そして国際色も豊かで、異なる言語が飛び交うカラフルな客層。それらを4組それぞれがそのワールドクラスなパフォーマンスで、みごとに溶け込ませて、会場全体にグッドバイブスが溢れていた(この日翌週に日本ツアーを控えたマック・デマルコとそのクルーもご来場)。そんなナイス、グッドパーティー。やっぱりパーティーは楽しいね。平日の下北沢の地下にはこんな凄い事が起きているんだぜ。そして、Otto Bensonのブッキング含めGolden Katies!!のドラマーとして出演してくれていたTerunuma氏の尽力により、この日のグッドパーティーは実現。ドラマーとして世界中を駆け巡りインディーズな草の根的コネクションを持つ彼だからこそ実現できた日。この場を借りてあらためて感謝。(加)

2026年1月15日

ひめはじめ8

クリープハイプ/Laura day romance/アカシック

ひめはじめ8。こちらライブレポートと銘打っておりますが、毎度私の日記的な内容なので、この日の様子を知りたい方は「太客倶楽部」会員限定でオフィシャルフォトレポートがクリープハイプの公式サイトで公開されているので、是非そちらをチェック!。と、言うことで、新年クリープハイプがここDaisyBarでライブを行う。そんなスペシャルな日。もう何年も前から開催されてきたこの企画。回を重ねながら、その関心や熱が増してきていると感じる。それは、彼等が常に最先端で、その歴史を更新しながら前に進み続けている結果でもある。今年もそんな熱が充満した空間となったDaisyBar。今回は対バン形式。対バンは当日発表。ステージにバンドが登場して対バンが判明するスタイルで、今回はLaura day romanceとアカシック。こうした濃密な空間の中で、それぞれがしっかり自分達の持ち味見せるライブを展開した。両バンドとも、そこにクリープハイプ愛があるからこそのパフォーマンスで、それがしっかりと伝わった。そしてクリープハイプ。クリープハイプがここDaisyBarでライブを行う。本当にそれ自体でスペシャルで最高なんだけれど、この日も当然の様に圧巻のライブをみせてくれた。彼等がDaisyBarにコンスタントに出演していた当時、何度となく聴いた楽曲も、(当然だけれど)磨き上げられ、より立体的に響く。いろいろな想いがこみ上げグッとくる瞬間もあるけれど、それに増して近年の楽曲、そして当時の楽曲とともに最先端のインディロック、ギターロックのサウンドとなって放たれ、楽曲の強さと、その良さが引き立つ。あらためて今の日本のロックシーン、インディーズシーンに彼等がどれだけ影響を与えてきているのか、その影響の大きさをリアルに実感する。今も色褪せることなく普遍的に響く言葉と、彼らの今現在のサウンドとモード。それをガッツリこのキャパのDaisyBarでも手加減無しで浴びせさせる。日々いろいろなライブを観ているけれど、大きなフェスを経験したバンドがライブハウスでライブをしたとしても、いろんな意味でライブができているとは限らないし、できていないと感じることも少なくない。メディアや発信手段が多様化した今、バンドやアーティストの歴史や、メジャーへの道、武道館や大型フェスへの道が、ライブハウスから始まると言う訳でも無く、その必要も無い。ライブハウスに帰って来ると言う言葉を全てのバンド、アーティストが使う訳でもない。ただライブハウスから、DaisyBarから始まり、そこから文字通り一人一人リスナーを獲得してきたクリープハイプは、私が昨年6月に観た武道館でも最強だったし、ここDaisyBarでも相変わらず最強だった。それが多くを物語ってくれている。だからこそ、ライブハウス側もその重要性を実感する。クリープハイプがDaisyBarでライブをする理由はいろいろあると思うけれど、私には、こうして迎える我々ライブハウス側に、お前はどうだ、君はどうだい、と本質的な問いを向けられている様に感じる(聴く側、受け取る側それぞれに、その内なる問いがそれぞれ聞こえていると思う)。その問いに対して考え、動き続けたいし、またクリープハイプが帰ってきて、彼等を愛する人達と密な時間を作れる、そんな場所であり続けたいと思う。そんな気持ちを新たにした素晴らしい時間だった。(加)