2025年11月29日
‘Rube Goldberg’
Live: Veni Vidi Vicious/BROTHER SUN SISTER MOON
Dj: Kyohei
これまでDaisyBarはじめ、様々な場所でパーティを企画、主催してきたkyoheiによるパーティが久々にDaisyBarにて開催。Veni Vidi Vicious、BROTHER SUN SISTER MOONという顔合わせに、DJにkyoheiという布陣でサダデーナイトPARTY。まずはkyoheiのDJからスタート。時代、国境を超えながら、時にjazzyな雰囲気を交えつつ緩やかに沁みいる楽曲を繋いで徐々にフロアを温める。そして、まず登場はVeni Vidi Vicious。今年3月DaisyBarの20周年イベントで、DaisyBarでも久々にライブを行ったが、そのライブが彼等としても久々のライブであった筈。しかし、その日はそんなブランクを感じさせない渾身のライブを見せつけてくれたいた。そして、そのライブを皮切りに、この日のライブが2025年、三回目のDaisyBar出演。更に、年末にはSISTERJET、Golden Katies!!とのスリーマンも決まっており、一年に四回ライブが行われる事に。ここ数年、いやもしかしたら十年スパンでみてもここまでVeni Vidi Viciousが活発にライブを行っていた年はなかったのではないだろうか。かなり簡単に、彼等のこと説明しておくと、DaisyBarができた翌年2006年あたりからDaisyBarには出演してくれていて、音楽的には90年代〜当時の00年代のNew YorkやUKから発信されるインディロック、そして日本のロックンロールシーン、パンクシーンからの影響も受けつつ、所謂ギターロックやJ-POP的な文脈とは別の文脈を日本のインディロックシーンに持ち込んだバンドの一つ。勿論それだけではないけれど、DaisyBarの歴史や日本のインディロックシーンを語るうえで欠かせないバンドでもある。DaisyBarと同じく20年近いキャリアを持つことになる訳で、代表曲(と筆者個人が思っている曲)や名曲も多数持っている。しかしながら、この日のライブは新曲のオンパレード。そうした楽曲、新曲もまさにVeni Vidi Vicious。常にスクラップアンドビルドを繰り返し、トライと実験を繰り返しながら楽曲もライブも作って行く。完成型を目指しながら変化して行くスタイル。それがまさにVeni Vidi Viciousだったとこの日のライブを見てあらためて実感(よく考えたら以前から編成も何度も変わってゆくバンドでもあった)。そして、そういった姿勢が偏って前衛化しすぎる事もなく、ロック、ポップミュージックとして落とし込まれている。そして彼等スター性も健在。リスナーも聴きたい楽曲はあったと思うけれど、そうしたVeni Vidi Viciousを見る事でもしっかりと満足できた筈。そしてDJを挟み、BROTHER SUN SISTER MOON。世代的にはVeni Vidi Viciousより下の世代。MCで学生時代聴いていて好きだったVeni Vidi Viciousと対バンできて嬉しいという事も語っていた。DaisyBar初登場ではあるけれど、サポートメンバーの中には以前それぞれバンドでDaisyBarに出演してくれていたメンバーもいたりもした。そんなメンバーか発せられるサウンドはやはり、海外インディロックバンドとも呼応する様なCOOL且つホットなサウンド。今年来日したPJ HARVEYを思い出したしたし、野外のフェスで夜に聴いている様な、異次元にトリップしてゆく様な感覚にもなった。それでいてしっかりと身体を揺らしたくなるサウンドとGROOVE。静と動で言えば静という感じではあるけれど、発する音はまさに動的。そんな濃密なサウンドでフロアをしっかりと熱くさせてくれた。そしてバンド終了後は、kyoheiのdjでゆるりと徐々にCOOLDOWNしながらOasisのWanderwallで着地してパーティもfinish。個人的にインディロックを再発見して行く様な、その可能性をあらためて実感した一夜だった。しそし2026年またこうしたインディロックが多くのリスナーの興味をひく様な年になって行くのではないかとも込めて思った。(加)

