この日もそうだが、ここ最近のNOWEATHERを観ていると、もう単純にカッコイイなーと思う。彼等を説明する時にギターロックという言葉を使ってしまいがちというか、実際使ってきていたかもなんですが、もう完全にそういう括りではない所にいると感じた。我々もそうなんですが、ついついそのギターロックと言う言葉を使ってしまって、それでなんとなく共有できる音というか雰囲気もあって、個人的には所謂J-ROCKというか、2000年代に入っての日本のロックをルーツに持つバンドみたいな所で落ち着いてきて、勿論そこにカッコイイバンドもたくさんいるのですが、どうしてもフォーマットが似て見えてしまう部分もあり(似ている事自体、日本のロックを参照する事自体悪くはないんですが)、少し物足り無さ を感じるのも事実。そうした所踏まえで、実際のNOWEATHERの音、ライブに触れると、もうそういう括りでは説明できないバンドだと実感する。約3年程前、彼等が十代でDaisyBarに出始めた頃は、そんなギターロック的な括りで見ていたかもしれないけれど、それでも彼等を見ている内に、そういう括りとは明らかに違うな、と思い知らされてきた。フォーキーだったりオルタナだったり、更にはブラックミュージックだったり、いろんな要素が入り込んで来て、更にそのGrooveがどんどん肉体的になってくるというか、マッチョではない筋肉質になってゆくというか。もうロックンロールと呼んでしまいたい。そして、この日の彼等が対バンに呼んだバンド勢もそうなんだけれど、ホント趣味性爆発していて、一癖も二癖も あってカッコ良かったんだけれど、そんな爆音チームの中でも、しっかり存在感と音を落とし込めるパワーもさすがだった。そして、彼等が、所謂ギターロックバンドと違うなと思うのは、彼等のその悲壮感の無さというか屈託のなさ。そこがまたカッコイイなと思う。なんかウエットな物語を作り上げて、その中でメッセージを発するバンドも少なくない。そんな中、NOWEATHERは明るい音楽をやっているバンドでは無いと思うんだけど、熱く感情的なロックをしながら、そこにあまり湿度もないというか、すごくCOOL。昨年、結成当初からのメンバーであるドラムの杉山が活動休止し、3人での活動を始めた際も、観ている側からすると、これから大丈夫かなーと思ったりもした。そして、こういうことって語ろうと思 えば、凄くドラマチックに、ウエットに語る事もできるのだけれと、実際、こちらから観ている限り、り、本人達はウエットになったり、落ち込んだりする様子もなく、サクサクと新たなGrooveを作り上げてきたりするから、またカッコイイ。この、悲壮感の無さ、というか、屈託の無さは何だろう。そうした中で鳴らすバンドの音は、もう確信に満ちて貫禄と余裕すら感じる。そして、この日のセットリストで、高校の時に作ったという「8.31」という曲を久々披露していて、この曲がまたポップに響いて良かった。そうした昔の曲を引っ張ってきて披露する所なども、今のバンド状況が良いことの証明だと思う。そして、この3ヶ月連続企画の2回目であるこの日、正直、中弛みするんじゃないかと思ったのだけれど、 実際のパフォーマンスも、前述した通り、きっちり余裕と貫禄で見せつけてくれたし、集まったお客さんの数も更に増えていて、彼等が勢いをつけてきている事を実感させた。この日、サポートであった篠﨑が正式のメンバーとなる事が発表され、次回、第三回のこの企画が、ワンマンとして開催される事に。このタイミングのワンマン、凄くよいタイミングだと思うし、凄く観たい。こうしたタイミングにもってくるのも、憎らしいけどカッコイイ。そんな所含め、彼等のカッコ良さを、あらためて感じた一夜だった。(加)