2026年3月30日
DaisyBar 21st Anniversary
~スズキユウスケ 劇中歌-二〇二六-~
スズキユウスケ(オレンジスパイニクラブ)【ONE MAN】
オレンジスパイニクラブ、ボーカル、ギターのスズキユウスケ弾き語りワンマン。3/25に誕生日を迎えた彼の誕生日企画でもある。昨年はDaisyBar一階にあるLagunaで行われたこの企画。その際のソールドアウトを受け、今回はキャパも大きくして、DaisyBarにて開催。そしてこの日も見事SOLD OUT!!。と、いう事でスズキユウスケがアコースティックギターを抱え、一人DaisyBarのステージに登場。立ったまま、演奏、唄うスタイル。フロアーはイス席とスタンディングというレイアウト。そこは勿論オーディエンスで満員。ステージに一人立つ彼を温かく取り囲み、見守る様な雰囲気。若干の緊張感も伝わってきつつ、ゆっくり丁寧に曲が奏でられて行く。自作の曲を中心に、そこにカバー曲や、スズキナオト作の楽曲も織り交ぜた選曲。また自身の未発表曲などもあった。誕生日ということや、弾き語りというというシンプルな形態というのもあってか、原点回帰と思える部分もあった。そうした初期の楽曲から、ここ数年の楽曲まで、こうした形であらためて聴いて感じるのは、そこに貫かれているポップネス。唄われているのは、一貫して「あなた」と「私」の物語。その間にある感情の動きだけがこの世のすべて。ではあるけれど、二人だけの閉じた世界には感じられずしっかりと外部と繋がっている。それぞれの物や人にそれぞれストーリーがあり、理由があり、そこにちょっとした喜びや悲しみもあったりする。外側(社会)があるからこそ、二人の物語がある。君と僕以外の世界があるからこそ、もっと自分はうまく出来るはずだと思う。相手に優しくあろうとするけれど、その優しさの意味を考えてしまう。堂々巡り。それでも、最終的にそんな「君」も「僕」も肯定する。常に正しく、強くはいられないのが人間だから、そんな、だらしない、うまく出来ない自分をもちょっと肯定してみる。物語の中、「あなた」も「私」外側へと歩んで行く。だらこそ、その開き直りとも思える肯定感も説得力を持つ。だらだら書いたけれど、これは筆者の中に浮かび上がったイメージ。それぞれ聴く側によって様々なイメージを持つだろうし、思いもあるだろう。直接的な言葉で誰かを勇気づけたりするのではなく、そこにある物語で、勇気づけられたり、ちょっと気持ちが軽くなったりもする。それこそがポップ。そして、あらゆる事が起こりトピック盛り沢山のこの世界で、ポップであることこそ、パンクでロックだとも感じる。あらゆるものが直接的になって行き、いつも正しく、間違えは許されないと感じさせてしまう様な世界。その中で、こうした間違ってばかりの「あなた」と「私」の物語は重要だとも思う。今回彼が一人でステージに立って唄っていたことで、バンドによる肉体性とはまた違った形だったことで、そんな印象をもったのかも。そして、こうした楽曲が更に四人で奏でられることによって、そこに起こるマジック。そちらもあらためて楽しみになった。(加)

