Layneの会場限定発売となった「台風EP」のレコ発企画。まずトップで登場はUlulU。ボーカルギターの大滝カヨちゃんは、もう4年位前に何度かDaisyBarに弾き語りで出演してくれた事があって、その頃から強烈な存在感を放っていて、記憶に鮮明に残っている。そして今回、数年振り、そしてUlulUとしては初登場。個人的にもUlulUを見るのは初。ジャンルレスというか、ポップでロックなのだけど、3人のフリーキーな演奏とアレンジが全く一筋縄では行かない。ポップなメロに載せて「サンタに騙された子供は?」みたいな凄い歌詞唄ってたり、ギターソロも王道ではあるようだけれども、どこか聴いていて良い意味で引っかかる。ライブを通して見せるそうした自由さがカッコよく、静かに大きなイ ンパクトを残した。そして二組目登場は錯乱前戦。2018年も何度となくDaisyBarにも出演してくれているのだけれど、その度にロックな貫禄が増して行く。オールドスタイルなロックンロールなんだけど、彼等がやると泥臭くみえないというか。そしてスマホやYouTubeが無い時代への憧れという様なモノも感じるのだけど、それをスタイルにしていないというか、そこがカッコイイ所だなと思った。そして、そのロックンロールの王道スタイルで、これでもかと存分に会場を沸かしていた。そしてこの日は3マンという事で、トリは当然Layne。Layneとは、2年ちょっと前くらいに、神戸のSlimcatが初めてDaisyBarに出る際に対バンなど考えているなかで、彼等の音を聴いて、カッコイイと思い、コンタクトを取り、そのイベントに出 演してもらったのが最初。それから何度も出てもらってはいたけれど、全国流通盤デビューもあったりで、少し間隔は空いたりもしていた。その間にメンバー脱退もあったけれど、それでもこうやって初の自主企画をDaisyBarに持ってきてくれるのは嬉しい。Layneのライブはロックンロールではあるのだけれど、50年代や60年代のポップミュージックと日本の00年代的な要素がうまく混ざり合っている様な独特な味わい。この日は新曲も多く、その新曲もメロウでスローな楽曲で、そしてどこか懐かしいメロだったり、そのタイム感だったりが凄く今っぽく、その感度の良さがまたカッコよかった。速さ、ボリュームに流されない、しかし、熱くてCOOLでポップ、そんなロックンロールショーで、会場全体も熱く盛り上がっ ているんだけど、とても心地良い盛り上がり。アンコールのステイウィズミーは、(私の記憶が正しければ)DaisyBarに初めて出た頃から演奏していた楽曲で、まさにエバーグリーンなポップでロックな楽曲。その楽曲で更にLayneらしい心地良い盛り上がりを起こし、このイベントを締め括っていた。Layneを見ていて、今、ロックンロールバンドをやる事の一つのやり方というか、リアリティがあるなぁ、と思った。それはやはりポップであるという事で、今を生きるロックンロールバンドの一つの形を示している様にも思った。そういう意味で最初、この3組の顔合わせは、正直意外だな、と思ったのだけど(実はもう何回も対バンしていてお互いの企画にも呼び合う仲という事だったのですが)、3組通してじっくり見てみて 、やはり三者三様で全く違ったロックンロールをやっているんだけれど、2010年代も終わろうとしている今、ロックバンドをやる意味というか、ロックンロールへの現在形のアプローチ方法を、それぞれ違った形で見せてくれている気がした。そして、こうしたバンドの企画に、多くのお客さんが来ている事も含め、これからがまた楽しみになる、そんな一夜だった。(加)