DaisyBar Autumn Fes 2017
~THE FOREVERS × FREE MEDIA ZINE SPICE pre.「Teenage Romance -EAST- vol.2」~

昨年も調度同じ時期に行われ、大盛況だった関西のFREE MEDIA ZINE SPICEによるイベント。昨年に続き今回が東京開催2回目。そしてその2回目は、第1回目にも出演していたTHE FOREVERSとの共同企画。早い時間からお客さんがフロアを埋めはじめ、まずトップはKIWILIPS。DaisyBarにはもう何度か出演してくれていますが、まだ今年結成されたばかりのバンド。それでも、そのソウルフルなボーカルと楽曲はもう貫禄満点。80’sなキーボードサウンドも印象的で、最初から客席の空気を揺らした。そして2番手登場は、大阪よりTHE BOSSS。KIWILIPSの横乗りな雰囲気とまた少し異なった形ではあるけれど、完全にアッパーなフロアー仕様。そのアッパーな雰囲気も、ロックという所で一つ筋が通っていて嫌みはない。容赦なく会場全体を巻き込んでゆくパフォーマンスでお客さんを存分に楽しませた。そして、SISTERJETのオオナリとKENSUKE二人によるDJタイム。インディロック系中心の選曲でイベントに更に華を添えた。次に登場はすばらしか。60年代、70年代の日本のフォークロックな佇まいや、60年代後半のバッファロースプリングフィールドだったりのアメリカの空気感もあり。淡々とだけど、熱のある演奏でグイグイと引っ張った。そして、フロアーの人口密度も更に上がり、またアルコール度数もかなり上がってきた所でTHE FOREVERS登場。よく考えると、かなりDaisyBar久々の彼等。その間にメンバーチェンジなどもあり、DaisyBarではこの新たな編成は初。ベース加入に伴い、元々ベースボーカルだったGAKUが、ギターボーカルとなったことで、フロントマンらしさが更に増し、ボーカルも強くなり、リズムもさらに骨太に。バンドの骨格が見事に出来上がってきていた。ライブの方も、ポップを放ちつつ良い意味でオラオラ感も増して、それにフロアーも呼応してドンドン熱とGrooveが上がって行くのが見て取れた。THE FOREVERSのパフォーマンスに合わせ、リスナーが腕を挙げる時、その手にビール瓶が多く掲げられる光景はかなり壮観だった。THE FOREVERS会心のライブ後トリで登場はHAPPY。メンバーがよくDaisyBarにライブを見に来てたりしていたので、そんなに久々感は無かったのだけれど、実際DaisyBarでのライブは数年振り。もうすっかり貫禄も纏いつつも、やっぱりスター感もある佇まい。それでいてよい意味でのユルさもあって、お客さんも更に自由に楽しむ雰囲気に。そして1曲目の音が鳴り出した途端初期のPrimal Screamかと思う様なアシッド間満載のサウンド。もうそこからカラフル且つディープなサウンドが次々繰り出され、こちらもその音の波に身を任すのみと言った感じがかなり心地良し。そして最後にはマニアックだけれどグルーヴィーなベースラインとリズム、そしてポップなメロディーでグイグ引っ張る曲で会場をダンスさせる。もう最高に快楽的なサウンドで、このまま音が止まらないで欲しいとリアルに思った。そして当然のごとく湧き上がるアンコールに応えて、HAPPYが再び登場。一曲アンコールに応えたあと、もう一曲やりたい、カバーやります、と言って演奏されたのは、THE BANDの。これがまたアシッド感ありつつ、コーラスワークもグットきて素晴らしかった。よい子は真似しないでね、な、危なっかしさとポピュラリティーが融合した、最高にロックなパフォーマンスだった。ポップである事の方が危険性あるし、やっぱりロックってこうで無ければ、と再認識させてくれた。イベントの方も終始グッドバイブレーションに溢れていて、これはやはり企画者であるSPICEチームとTHE FOREVERSのROCK愛、POP愛がダイレクトに伝わったのだと思う。昨年に続き、今年も更に素晴らしいイベントとなった。(加)