Slight Fever

8月の終わりに実現したオレンジスパイニクラブとammnoの2マン。これまでフェスやサーキットでの顔合わせはあったとの事だったけれど、こうした対バンでは初顔合わせとの事。チケットは抽選の段階でもかなりの応募数で圧巻のSOLD OUT。フルキャパのDaisyBarは、今年に入って、これまでも何度かあったけれど、通常運転となった今年の夏を経てのフルキャパで、会場内の熱気も以前と同じ様で、また少しどこか異なる様な雰囲気。そんな熱気がより高まって行く中まず登場はammo。DaisyBar初出演。私個人もはじめまして。かなりまっさらな状態で初のammo。もう一曲目から吹っ飛ばされた。ネット上で聴ける音源のいくつかは聴いていたけれど、そのポップさに加え、LIVEならではのフィジカルな熱を全力で叩きつけ、楽曲も更に立体的に立ち上がる。その音と熱をオーディエンスもガッツリ受け止め、弾き返し、またバンドもそれに応じながらまた自然と会場全体のボルテージは上がる。その応酬の中でバンドとオーディエンスの熱が融合してゆき、エモーショナルなGrooveが巻き起こる。オーディエンスの感情を読み取りながら、瞬時に反応しながらLIVEを展開してゆく。この3年間様々な状況下でLIVEを重ね、身につけたであろうパフォーマンス。そしてそこでオーディエンスを掴んできた事も伺える。そんなLIVEバンドでもある事をしっかりと証明し、見せつけたパフォーマンスだった。そして、二番手オレンジスパイニクラブ。冒頭からユースケが、2020年2月、DaisyBarでSOLD OUTしたレコ発の時より盛り上がろうと言った内容のMC。その2020年のLIVEの「みょーじ」の映像がDaisyBarのYouTubeチャンネルにアップされていて、そこにはコロナ前のDaisyBarでの、オレスパのLIVEの映像が記録されていて、そのコロナ前より更に盛り上がろうといったことである。2020年、2月まだコロナ禍始まる前の2月の話。よく考えたら、(前回はまだキャパ制限もあったので)彼等がDaisyBarのフルキャパでLIVE行うのは、その日以来。彼等の世代のバンドにとってのこの3年というのは、これから更に広げて行こう、広がって行こうという矢先の事であったと思う。そう考えるとその3年間をサヴァイブし、更にパワーアップしてこの再びSOLD OUTのDaisyBarに戻ってきてくれたのは本当に嬉しい。そしてその「みょーじ」からLIVEスタートで、3年の時を飛び越えて、正に今、2023年夏!の盛り上がり。彼等の魅力の一つはやはりその楽曲の強さ。曲が始まるとその世界、楽曲に一気に引き込まれる。そしてヒット曲からも逃げないカッコ良さ。彼等のLIVEには、こちらが欲しいものをしっかりと届けてくれるサービス精神があるな、とも思うけれど、どう言った選曲になっても、こちらが欲しかったモノが詰まっているという事だなともあらためて思った。2023年、オーディエンスの唄声もしっかり味方に付けられるバンド。そうしたポップネスと共に、後半は一気に彼等のパンクスピリッツを爆発させ、DaisyBarのフロアーを更に沸かせてくれ、この2マンを締め括ってくれた。今、まさにJUSTな2マン。世の中には理屈の正しさだけが溢れ、その小さな正しさに向け世界は真っ直ぐに進んで行く様に見える。けれど、そうは言ってもどうにも自分はクズでダメ人間だし、自分がいなくても世界は動くし、このまま世界は変わらないだろう。でも隣りにいるあなたの変化には敏感だったり、気づけなかったり。人間なんて複雑なものなんだよという、その半径5メールのリアリティーをしっかりとキャッチし矛盾を恐れずに唄ってくれる。そうしたポップミュージック、ロックミュージックの本質をしっかりと体現し、興奮させてくれる。そして唄われる言葉がLIVEのダイナミックさと共に耳に突き刺ささる。そんな2組の顔合わせだった。(加)